とりあえず半分の原発を再稼動させることを目標とする-これは私流の極めておおざっぱな政策提言であるが、根拠がないわけではない。この夏には間に合わないだろうが、原発の再稼動は必要だ。これまで日本の電力の3割強を担ってきた原子力発電が完全に停止すると夏冬のピーク時に安定供給が難しくなることが経験上判ってきた。無論涙ぐましいほどの節電の努力は考慮した上でのことだ。火力発電所を増設したりフル稼働させたりしても十分とは言えず、燃料の費用が上がっているので日本の外貨準備高を減らしてしまう。期待されるエコロジカルなエネルギーによる発電はまだまだ発展途上にあり、原子力発電の替わりをするには10年から30年は早い。ではどれだけの原発を再稼動させればよいのか?
無事に8割以上の原発を再稼動出来ればエネルギー供給上は理想だが、老朽原発の問題、原発敷地内の活断層の問題、地域住民の反対の問題、そして切迫する首都、東海、南海など連動する可能性のある巨大地震の問題がある。政策的に巨大地震がいつ起きてもおかしくないと予報されている地域で原発を再稼動することには、いくら安全対策を行ったとしても、国民の理解が得にくい。そうすると再稼動が出来そうな原発は限られてくる。
フクシマ原発事故以来、もはや原発の安全神話は崩壊した。「百パーセント安全安心な原発」は、今はもうないのである。万一事故が起きても避難できるし、放射能汚染も限定的なものに抑えられて福島第一のような大事故にはならないだろうという比較的安心な原発ならゼロではないだろう。つまりリスクはあるがなんとか許容できるという原発だ。無論、国と電力会社はそのリスクを可能な限り限りなくゼロに近づける義務を負う。国は住民に不要なリスクを負わせてはならないのだ。
危険な原発、老朽原発は再稼動しない、とすると福井県では敦賀原発1、2号機は敷地内の活断層のため廃炉となる可能性が高い。1号機は老朽原発でもある。美浜原発1、2号機はすでに老朽原発である。3号機もあと4年ほどで40歳を迎える。高浜原発も1、2号機はあと数年で40歳を超える。現時点で再稼動の可能性が高いのは美浜3、4号機、高浜1、2、3、4号機、大飯1,2、3、4号機、数年後には美浜4号機、高浜3、4号機、大飯3、4号機以外は40歳を超える。現在国は40年以上稼動した原発は稼動できるが稼動させないという方針だ。
以上を電力供給で計算するとここ数年は1128.5万キロワットの全発電量のうち892.8万キロワット、すなわち約80パーセントの再稼動の可能性があるがその先、原発が増設されなければ410万キロワットすなわち約36パーセントの原発しか残らないことになる。関電の原発依存は44パーセントだというからそのうち36パーセントなら全電力の15.84パーセントしか原発が残らない。これは原発ゼロでこの夏電力がピーク時に不足するだろうという量にほぼ一致する。これに揚水発電で可能だとされる2百万キロワットを加えるとなんとかピーク時でも安定供給が出来るかも知れない。
さて関西電力の管内で数年後までの原発稼動の割合を見ると電力量にして約36パーセントから50パーセントの原発の稼動(緊急時に原発がトラブルで停止することを考えると14パーセントの余裕は見ておきたい。)が安定供給に必要だということがわかる。原発依存度が低い日本の他の地域でも約3分の1から半分の原発の再稼動が電力の安定供給には望ましく、必要とされることが判るし、原発の老朽化を考えると10年後にはそのくらいしか稼動できないだろう。あとは老朽化する原発が増えるに従い十分な新エネルギーによる発電量を増やしていけばよい。とりあえず半分の原発を再稼動させるように目標をたてて、8割の達成率を確保することが出来ればピーク時の電力安定供給もなんとかなると思われる。(つづく)
by chrysanthemum
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